『三つの言葉 』 1989年 猪熊弦一郎 画 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵  C)公益財団法人ミモカ美術振興財団

今回は、吉祥寺森岡眼科森岡清史先生に、読者の皆さまが日常生活において取り組むことのできる「目の健康法」を伺いました。森岡先生は昨年11月にありました、三城「酸素めがね」発売のプレス発表会でもご登壇され、目にとって酸素や水蒸気が多いことは、非常によい環境であるとお話いただきました。

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吉祥寺森岡眼科院長 森岡清史


急増する眼の障害

―先生はこれまで13万人以上の疲れ目に悩んでいる患者さんを診察して来られたとのことですが、最近の患者さんに特有の病状や傾向はありますか?

テレビゲームやスマホ、パソコンの画面を見ることが多くなってきており、現代病と言われる眼精疲労やドライアイが非常に増えてきております。

―確かに、一種の社会問題として最近盛んに取り上げられていますね。目に悪いと分かってはいても、なかなかスマホやパソコンのない生活は考えられないです。仕事でどうしても使わなくてはならない場合もありますし。スマホやパソコンを使う上での注意事項はありますか?

寝室などでの暗い環境での使用や明るすぎる画面設定は、目を疲れさせますから、避けた方がよいですね。スマホの場合は近距離で長時間、画面を見続けることになり、近くにピントが合いっぱなしの状態です。急に遠くを見ようとしても、すぐにピントが合わない、ピントフリーズ現象という状態が続くと、常に近くも遠くもぼやけるようになり、眼精疲労を起こします。スマホやパソコン作業を行う場合は、最低でも1時間に1回は数分から5分位の休憩を取り、視線を画面から離すよう心掛けてください。


スマホ老眼

―最近よく耳にする「スマホ老眼」は何が原因なのでしょうか?

スマホ老眼は若年層に増えつつある老眼ですが、今お話したように、スマホ画面やゲーム機など近くにピントを合わせ続けた結果、目のピントを調整する能力が若いうちから低下してしまった状態を言います。

―スマホの長時間使用は老眼につながるということなのですね?

端的に言えばそういうことです。ただし、年配の方の老眼との大きな違いはかぎゃくせい可逆性(元にもどること)であること、またはその可能性があることです。日々スマホなどの携帯を見る時間を短くしたりして、毛様体筋がリラックスできるように気をつけてもらえれば、治る見込みがあります。


怖い眼精疲労

―「眼精疲労」と一般的な「疲れ目」とは同じ症状を指すのでしょうか?

目がかすむ、まぶたが重い、目の奥が痛いなどの症状があると、自分で「疲れ目」と判断して市販の目薬をさしている方が多いと思います。症状が一時的な「疲れ目」とは違い、「眼精疲労」は目薬で完全に治すことはできません。睡眠などで一時的に回復しても、すぐに症状が出ることがあります。また目の症状だけではなく、肩こりや頭痛、不眠や吐き気、食欲不振を引き起こしたり、さらに、自律神経系に影響を及ぼしたりすることもあります。

―眼精疲労は怖い病気なのですね。治す方法はありますか?

あります。当院では平成11年から眼精疲労治療室を設けて、眼精疲労回復に専門的に取り組んでいます。


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眼精疲労治療室での目の温シップ・マッサージ

眼精疲労の治療

―治療室ではどのようなことをするのですか?

眼精疲労は、特に、近距離で目を酷使することで、目のピントを合わせる毛様体筋が疲弊し、遠く、または遠くも近くもかすんだりする状態や、画面を長時間見続けることで眼球周囲の筋肉が疲弊し、目の奥やまぶたに常に痛みを感じる状態を言います。治療室ではこれらの疲弊した筋肉を回復させるため、目の温シップ・マッサージ・つぼ押し・低周波治療・目の冷シップ・点眼など一連の流れを20~30分かけて行っています。


ドライアイの改善法

―私も治療をしていただきましたが、とても気持ちよかったです。ドライアイについても最近の傾向を教えてください。

ドライアイには涙の分泌量が少ない分泌減少型と、涙が蒸発しやすい蒸発こうしん亢進型があり、以前は前者の方が多かったのですが、最近は後者が増えてきています。これはスマホ・パソコンを見続けてまばたきの回数が減ることと、コンタクトレンズの連用による影響と考えられています。

―私たちの目は、日々、過酷な環境に置かれているのですね。眼精疲労やドライアイに悩んでいらっしゃる本誌読者の方々に、症状改善のために習慣として取り入れた方がよいことがあれば教えてください。

全般的なアドバイスではありますが、目の周りの血行を良くするための温シップやツボマッサージなどはご自宅でも簡単にできるかと思います。それから目のピントを合わせる毛様体筋の緊張状態を解くために遠くと近くを交互に見ることをお勧めします。3m以上遠くのモノと30㎝程度の近くのモノを10秒ごとに交互に見ることで毛様体筋のストレッチになり、近視・老眼の進行予防になります。まずは3分から5分程度続けてみましょう。毛様体筋が緊張状態にあると交感神経の働きが強く、リラックスできませんので、就寝1時間前にはスマホ・パソコンなどの目を使う作業をやめ、質の良い睡眠を確保することが大事です。

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調節微動(毛様体筋のゆらぎ)解析を使った眼精疲労チェック


新眼科ドック

―先生の医院では最近「新眼科ドック」なるものを始められたと伺いました。詳しく教えて頂けますか?

目を酷使する生活の中で、多くの人が知らぬ間に目の健康を失いつつあります。当院の新眼科ドックは、西洋医学と東洋医学を融合し、予防医学の目的で行う日本で初めての眼科検診です。自律神経バランスと血管年齢測定を主要指標とし、その他5、6種類の最新機器で眼精疲労・ドライアイ・白内障・緑内障・加齢性黄斑変性症などの検査を行います。それらのデータを参考に、日本リバースの今野先生から中医学的エクササイズ指導を受ける総合的なプログラムです。

―興味深いプログラムですね。

目の健康を自分自身で守る、病気を未然に防ぐ、という意識をどんどん高めていく必要がありますね。三城もお客さまお一人おひとりの目の健康維持に一層深く関わっていきたいと考えています。
自律神経バランスと血管年齢測定は、多根社長(三城ホールディングス)をはじめ、三城の役員の方々も実際に体験されました。やはり皆さん、ご自身の測定結果を見て、目だけでなく生活習慣全般に対する意識が高まるようでした。


「視産」を守る

―これからは視力を矯正するためのメガネやファッションとしてのメガネだけではなく、メガネを通じて目や身体、脳の健康を維持する、病気を防ぐ、改善する、といった新しいアイケア市場が一層広がりを見せていくのだと思います。

そうですね。まさに「視産」を守る、ということですね。

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自律神経バランスと血管年齢測定



酸素めがね

―三城がこの度発売した「酸素めがね」は、目の周囲に酸素や水蒸気量を多く含む「目にやさしい」環境を作り出すという全く新しいアプローチで、実際に使用されたお客さまからも疲れ目・乾き目が改善したなどのお声を頂戴しています。

目にとって酸素や水蒸気が多いということは、非常によい環境と言えます。まだサンプル数が少ないので公表はしていませんが、当院で酸素めがねとそれ以外のメガネを用いて、一定時間ゲームを行わせたブラインドテストの結果、ゲーム後のかすみ目や肩こりの症状が「酸素めがね」で緩和されたという結果が有意な傾向として生じています。医学的研究対象としても興味深いです。

―それは素晴らしいですね。もっと多くのお客さまに実際に使っていただきたいと思います。最後に、先生のお立場から、今後の三城に期待することがありましたらぜひお聞かせ願えますか?

これからは「酸素めがね」に限らず、さまざまな働きを持った機能性メガネが必要とされてくると思われますので、期待したいと思います。

―本日はお忙しいところありがとうございました。


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高濃度の酸素カプセルに入ると、毛様体筋によい
影響があることが調節微動解析でわかっています。



■森岡 清史  吉祥寺森岡眼科 院長
名古屋市生まれ。
浜松医科大学医学部卒業後、東京大学大学院修了、医学博士。
平成7年、勤務医を経て吉祥寺森岡眼科を開設。
平成11年には院内に眼精疲労治療室を設け、数少ない眼精疲労の専門医として治療にあたり、山本化学工業とバイオラバーアイマスクを開発。
著書には「眼精疲労はまかせなさい」「目は10秒でもっとよくなる」「1日10秒で効くかんたん疲れ目ケア」。
数々のメディアに取材されており、近年では、今野清志著「目は1分でよくなる」の推薦文、今野清志著「目はスプーン1本でよくなる」の監修など、幅広く活動している。

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インタビューを終えて

森岡先生の診察は、自分の目の疲労状態を知ったうえで症状に合った治療を受けることができます。本文でご紹介したマッサージをはじめとした、酸素カプセル・漢方薬の処方などたくさんのメニューには、先生のこだわりが満載。ここまで眼精疲労治療にこだわった先生に、私の「目」をお任せしたいと思い、1週間後の治療の予約をして医院を後にしました。

三城ホールディングス未来デザイン編集 森京子